排泄はどのような場面でも、きわめてプライベートな部分であり、プライバシーや自尊心への十分な配慮が必要です。
バケツ型ポータブルトイレの処理方法はご存知でしょうか?
①排せつ
②排泄物の入ったバケツをトイレへ運ぶ
③排泄物をトイレへ捨てる
④浴室でバケツを洗う
⑤バケツへ水を張る
⑥ポータブルトイレへバケツを設置
在宅
在宅・施設・病院ではバケツ型ポータブルトイレの処理負担の現状があります。
①排せつ時の問題点
・排せつ物を見る事、臭いは本人、介助者と双方とっても大きなストレスとなります。
・排せつ物が溜まった状態のバケツの中に、排せつする事は気持ちが良くありません。
② バケツをトイレへ運ぶ時の問題点
・バケツに入った排せつ物を部屋からトイレまで運ぶ動作の際、居間や食堂、家中に臭いが充満してしまった事はありませんか?
(水+排泄物+トイレットペーパーが入ったバケツの重さは2㎏以上)
・バケツを運ぶ時、水が跳ねる、こぼしてしまった、ドアの開閉、移動距離が遠く動作の負担が大きい、転倒の心配があったと感じる事はありませんか?
③トイレへ捨てる時の問題点
・バケツに入った排せつ物をトイレへ流す際、トイレレットペーパーが張り付いてしまう事、便の形状等、バケツ内に排せつ物が残り、付着してしまう事はありませんか?
・汚れが残ってしまった場合、バケツの中を複数回、水で注ぐ必要があります。
・ほとんどの方が浴室へバケツを運ぶ、ペットボトル等に水を入れ事前に準備する等が上げられます。
・一度の排せつで複数回バケツを注ぐ事もあります。
④浴室でバケツを洗う時の問題点
・トイレへ流した後のバケツ洗浄は、お風呂場を使用することが一般的ではないでしょうか?
台所、洗面化粧台、屋外でのバケツ洗浄は衛生的にも問題を生じます。
・バケツが複雑な形状な為、トイレ用洗剤、柄付きブラシでバケツ洗浄をする動作にも時間を要します。
・バケツ洗浄に使用したブラシ、お風呂場の排水部も、臭いが残り、清掃が必要です。
・洗浄後に濡れたバケツの水滴を拭き取ります。
⑤バケツへ水を張る
・バケツ洗浄後に水張りをします。
・バケツ内に水を張る事で臭いの軽減、汚れの付着防止ができます。
・お風呂場で水を入れる、もしくはポータブルトイレのある部屋に、あらかじめ水張り用の水を2L程度準備しておく準備が必要です。
⑥ポータブルトイレへ設置
・洗浄、水張りしたバケツを部屋まで運びます。
・バケツを運ぶ時、水跳ね、ドアの開閉、躓き等に注意が必要です。
・ポータブルトイレへバケツを設置し、消臭剤を入れ、セット完了となります。
処理負担と所要時間
・所要時間3~5分程度
・毎日最低2回この汚物処理と準備が必要だと思われます。
・1日最低30分は汚物処理にかかることに。
考えられる危険要因
・本人から目を離してしまい、転倒や転落の事故等の危険が考えられます。
・ポータブルトイレのバケツはプラスチック製なので、一度染み込んだ臭いはなかなか取れません。臭いの原因は、ポータブルトイレ内に残った雑菌が、時間が経つにつれて繁殖してしまうことによるものです。
介護される側の気持ちの問題点
・トイレだけは自立し、処理したい。排せつへの羞恥心は誰もがあります。
・病気そのものの苦しみと合わせ、健康な時のように自分で自分のことができず、他人に排せつ処理を手伝ってもらうことへの当惑の方がより大きいと思われます。
・その中でも、みんなが汚いと感じ、臭いと考えている排便の世話を頼まざるを得ない場合の苦痛は、計り知れません。
・排せつの都度、処理を依頼する事は毎日迷惑、負担を掛けていると感じてしまいます。
・他人に世話を頼むのは恥ずかしく、排せつを我慢したり、水分を控えたりする現状があります。
排せつ介護のストレスにより、関係性に悪影響が・・・
介護の負担で一番大きく感じる事TOP3
1位:排せつ
2位:入浴
3位:食事
・家族が突然の病気、怪我、介護等の状況になってしまったショック。
・今はトイレまで移れるけど、病状が進行したらさらに負担が大きくなる可能性も。
・仕事、家事、子育て、介護を両立していけるのか・・・。
・これがいつまで続くのか・・・。
・仕事が終わって帰宅してからまず排せつ処理・・・・
・介護で仕事をやめる話を聞いたことも・・・
・ヘルパー、デイを利用できない時間帯、夜間、早朝時は特に家族の負担が大きい。
・おむつにしてくれた方が楽かもしれない・・・。
・常に便臭が漂い、自宅にお客様を呼びにくいと感じる事も。
・介護ストレス(身体的、精神的、経済的)による、うつ病、虐待につながるリスクも実際に発生している現状があります。
(参考出展:排泄ケアナビhttps://www.carenavi.jp/ja/basic/about/kihon.html)
ウイルスの感染リスク
・人体に悪影響のあるノロウイルスは、便の中に含まれ、空気中を浮遊します。 できるだけ便に手を近づけないことが感染予防につながります。
・ウォシュレットだと先に便を洗浄してしまうので、ほとんど便に手を近づけることなく用を足すことが可能です。
・新型コロナウイルスが、最も多く存在しているのは、肺や喉ではなく、実は小腸や大腸であると言われております。コロナウイルスが感染すると、便と一緒にウイルスも体外に排泄されます。
・下水道の水をPCR検査すれば、その地域の住民を個々にPCR検査しなくても、感染状況をいち早く把握することができる」とする海外の医学誌の内容が日本でも紹介されているように、排便は咳や呼気とともにウイルスが拡散する主要なルートとの情報もあります。
(参考出展:RIETI https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/208.html)
ウォシュレットの効果
・排せつ時、ウォシュレット機能は衛生面と快適性からみても必要性が高いと思われます。
・ウォシュレットを使うと、ある程度、便を洗い流してくれるので、トイレットペーパーで何度も拭く手間を省くことが出来、有ると無しでは
・肌、肛門への負担も軽減され、痔などの病気を抱えている人も患部に刺激を与えずに洗浄することが可能です。
・ウォシュレットを使うと、トイレットペーパーに便がほとんど付着しないため、きちんと拭けているかどうか確認することが少なくなります。
・頻尿、痔、陰部洗浄、便秘、・頻尿、便秘にも効果
病院へ入院・施設等へ入所した場合でもバケツ式ポータブルトイレの問題点が
・慣れない環境での排せつ、何らかの病気を持った人との共有便器へのためらいと、清潔に対する不安。
・多床室の場合、カーテン等で視覚は遮られていても、音や臭いは伝わるのではないだろうか。音が隣に聞こえないか、臭わないだろうか。
・排泄物を片付ける時、どの様に思われているだろうか。
・排泄物の性状や量を人前で話題にさればしないだろうか。
・手を洗う時どうしたらいいだろうか。
・おむつを勧められても、使用したくありません。
・利用者側も排せつは自立していきたい思いが強くあります。