介護コラム

近くにトイレがあることで

人それぞれ、誰にでも時間は平等に与えられています。
しかし命は有限ですから、その時間をできる限り自分らしく、ストレスなく、大切に使いたいものです。
命の一部と考えると、時間はお金以上の価値があると言えるのではないでしょうか。

1日にトイレは何回行くでしょうか?

一般的に、排尿の回数は1日に5~7回くらい(昼間の排尿の間隔が約3~5時間)が正常といわれており、
8回以上に及ぶと「頻尿」とされます。
また高齢になるにつれ膀胱が固くなるため尿を貯めておけず、
就寝後から起床前までの間に1~2回、排尿のために起きるケースが多くなります。

寒い日、夜間のトイレは我慢してしまうことも

特にお体が不自由な方、介護を必要とする方では、居室、寝室からトイレに行くまでが問題になります。
トイレにたどり着くまでの物理的距離が遠い、
また足が悪くて急いでも時間がかかってしまう場合もあります。
さらには急いだ結果、転倒して自力で起き上がれないケースもよく聞きます。

介護を必要とする方は転倒から寝たきり状態に移行することがままあるため、
転倒トラブルが怖くて夜間のトイレがひそかな悩みになることも。

介助があれば自力排せつできる方の場合、言い換えれば夜間に家族を起こす必要があります。
しかし毎日のことであるため、起こすのをためらって、夜間のみ紙おむつで対応する方がほとんどです。
トイレが屋外にあるお宅では、寒い冬場や風雨の強い日の用足しは、かなりの負担になると思われます。

意外と難しい、おむつでの排せつの話

一口に「紙おむつで対応する」といっても、
おむつでの排せつは意外と難しいことを知る方は少ないと思います。
身体は不自由なものの認知症状がない方、男性は尚更で、
紙おむつを付けることに抵抗を覚え、最初は嫌がる場合がほとんどです。

なぜなら、トイレでの排せつは身体で覚えた習慣だから。

私たちは2~3歳で身に付けて以降、衣服を脱いで用足しすることに慣れています。
おむつのように何かを身に着けた状態で排せつすることに、
本能に近い部分で拒絶を感じやすいのです。

慣れてくれば排せつできるようにはなりますが、
代わりに自尊心が傷つき、
今までなかった認知症状が現れたり、強まったりする場合があります。

近くにトイレがあることで、時間と心に余裕が生まれます。

SCLでは屋内外どこにでも設置できる、次世代スマートトイレをご提案しています。
もちろん、それでトイレ問題のすべてが解決できるわけではありません。

価格も貯留式のポータブルトイレより高価になります。
介護を必要とする方の生活は、支えてくれる家族だけでなく、
多かれ少なかれ介護用品と介護ケアに頼って成り立っています。
介護保険の補助があるとはいえ、レンタル品やケアへの支払いがある中で、
購入に二の足を踏む方がいるのも当然のことだと思います。

しかし、寝室の隣、ベッドの脇に水洗トイレがあれば、
少なくとも夜のトイレを憂鬱に感じたり、
寒い日に意を決してトイレに行ったりする必要はなくなります。

今までに近い排せつを維持することで自尊心が保ちやすくなるため、
認知症状を抑えられる可能性も高まります。
支える家族も排せつ処理にかけていた時間や心理的な負担が少なくなり、
一杯のお茶をゆっくり楽しめる時間ができるかもしれません。

従来のトイレで負担を感じられている皆様へ。
小さいけれど毎日のことです。
人生の時間を少しでも豊かに過ごすために、一度私たちと考えてみませんか?

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